久々のユッキーです。
私は中部圏のメンバーが主に所属するセレンデイでも珍しい首都圏とのことで、その手の地域の名産品を紹介したいと思います。
今回は生産者の方が御多忙とのことからJAの皆様のご協力のもと、神奈川県は湘南地域の一角を成す茅ヶ崎市で栽培されている『トルコナス』を紹介させていただきます。
取材に際しまして、JA全農かながわ農産部農産販売課の佐柏有香里さん(右)と、Aさがみ茅ヶ崎営農経済センターの井上大輔さん(左)にご協力いただきました。
さて、この先にトルコナスを栽培している圃場があるそうです。
抜けた先がこちらです。
まずはトルコナスの概要から。
トルコナスとは、茅ヶ崎市内で生産されてる皮まで柔らかい白いナスのことです。名前の由来は、育種元である種苗会社のトキタ種苗さんがナスの栽培がトルコで盛んであることから”トルコのナスのように世界中に広まるように”という想いから名付けられたそうです。トルコナスは一般に市場で流通しているナスと比べてみてもかなりボリューミーな大きさをしています。
トルコナスが生まれたきっかけは2015年にJA主導の生産から販売までの一貫したサポートを立ち上げたことからだそうです。この時には出荷者を募って、組合の真夏の出荷が落ち込んでいたことからその打開策として『福耳とうがらし』と『マー坊ナス』という2品種を試みたものの、病害虫の発生などによって取引が難しくなったことで僅か1年で断念してしまったとのこと。しかしながらせっかく出荷者を募ったことから再び継続を検討したところ、茅ヶ崎地区ではナスに目をつけて新たに『稿むらさき』と『揚げてトルコ』という2品種で試行錯誤をおこないました。そして必要な作付け面積の少なさや取引先の評判に優れていたことから次年度以降は後者の『揚げてトルコ』に栽培・出荷を絞り、販売に苦戦した時期もあったものの生産者協力の下、販売促進に努めてきた結果として現在の『トルコナス』に至るとのことでした。
↳なお何故色の白いナスを選んだかといえば、本来この品種は栽培や輸送の手間を考慮すれば家庭菜園や直販には向いているが、市場流通向きではなかったものの思い切って市場に流通させようと思ったことがきっかけだそうです。
現在トルコナスを生産していらっしゃるのは、清水さん、米山さん、脇さんの3名です。
畑によって土の状態が変わるため、肥料を毎年変更するといった工夫がなされているとのことです。
なお今期2023年は、例年と比較してナスの出荷生産量が好調とのことでした。参考までに、両年とも苗ベースで約1500本の栽培をおこなって、2022年度は約14トンで2023年度は約18.5トンの収穫を得たとのことです。その要因としては、例年と比べても晴れの日が多く、気温も高く、台風が少なかったということです。同時に降水量も少なかったわけですが、それについてはマルチの下に通っているチューブで井戸水やりできたため大きな問題ではなかったそうです。
トルコナスはナスニンと呼ばれる色素成分が含まれていないことから調理の際に色移りしないため、見栄えをよく保つことができる 味が良いので比較的お子様でも口にすることができるそう。また加熱したときのねっとりとした食感は格別とのこと。また油と相性がいいのでジュワとステーキにしても良し、素揚げでめんつゆにつけて食べても美味だそうです。
ちなみに圃場の周囲を覆う背の高い植物はというと、ソルゴーと呼ばれるものだそうです。原産地はアフリカで、風にあおられてトルコナスに傷がついてしまうのを防止するという役割があるそうです。食用には向きませんが、圃場のトルコナスの収穫後、粉砕されて緑肥として利用されるそうです。
JAさがみとしては、今後も茅ヶ崎地区ならではの温暖な気候を活かして高品質で新鮮かつ安全な青果物を消費者に提供できるように、若手農家を中心に画期的に盛り上げていきたいとのことです。
基本的にトルコナスは出荷量の関係で神奈川県内の横浜や小田原といった5市場にのみでしか流通していないため、都内の一部地域等を除けば県外でお目にかかることはほぼないとのことです。そのため、もし神奈川県に訪問された際にはぜひお手に取ってみてはいかがでしょうか。
以上、茅ヶ崎市からユッキーがお送りしました!