「この国は農業国だから豊食な割に 食に関しては合理的で無駄がないわ」──長谷川遥
「ホントに不思議な国だよ」──川浜拓馬
石川雅之「もやしもん」
アメリカといえば? ハンバーガー? ピザ?
大丈夫、両方ちゃんと美味しいですよ。
ハンバーガー&サンドイッチ
マックは案外メジャーではない
実はアメリカでは、地方によってはマクドナルドが一般的ではありません。最も多いのは東部であり、中部~中西部にはあまり存在せず(そもそも人がいません)、西海岸には多少、という分布をしています。
さて、マック以外のハンバーガーショップを見てみますと、全米1位とまで言われるFIVE GUYS、カリフォルニアからはIn-N-Out Burgers、など、マクドナルドを「数あるハンバーガーチェーンの1つ」に押しやってしまうようなショップが多数あります。こちらが単純に美味しいということもあり、マクドナルドは第一選択肢にはなりづらい状況になっています。
カスタムバーガー
ショップにもよりますが、ハンバーガーにカスタム、つまり、ミートパテ以外のものを追加するのが当然という風潮があります。
先ほど言及したFIVE GUYSではメニューに載っているのがハンバーガー、チーズバーガー、ベーコンバーガー、ベーコンチーズバーガーのみ。ミートパテとチーズとベーコン以外は入っておらず、野菜やピクルスなどの具材はすべてカスタム扱いです。これらはすべて無料で、いくらでも追加できます。
このようなオーダー形態はハンバーガーショップのみならず、サンドイッチで有名なSubwayなどでも多少行われています。
マフィンとベーグル
ハンバーガーと同等程度にメジャーで、より朝食に向いているとされる食事がマフィンやベーグルです。そのまま食べるのではなく、ベーコンと卵を挟んだり、ミートパテを入れるなどして簡単な食事にします。野菜はほとんどの場合入りません。
マフィンとざっくり呼称しましたが、北米地域において単純にマフィンと呼ぶ際はカップケーキ型のふわふわした焼き菓子、ケーキマフィンを指します。主食にするパンのようなものはイングリッシュマフィンと呼ばれており、1個を2つに分けて具を入れたものを食事にします。
ベーグルは生地を一度茹で、さらに焼いて作る円形のパンです。固めでしっかりと密度のあるパンは東海岸特にニューヨークの朝食として人気で、こちらも上下2つに切って具を挟みます。
卵の焼き方にも色々あります。一般にSunny-Side Upと言えば目玉焼きが出てきますが、Turn Overと言うと目玉焼きを一度ひっくり返し、両面から加熱したものが提供されます。それ以外にも、Scrambled Eggで炒り卵、などと色々ありますが、どれもしっかり加熱したものが提供されるのは同じです。
海外全般に言えることですが、鶏卵はサルモネラ菌に汚染されているという前提の調理が基本であり、卵かけご飯などの生食を前提とする料理はほとんど存在しません。
数少ない例外の一つは、牛乳と卵を使用するノンアルコールカクテル、エッグノッグです。
ピザ
アメリカ人のピザにかける情熱について
日本で焼く前のホールピザを入手し、家で焼こうとしても、コストコ以外の選択肢はそうは多くないでしょう。アメリカでは生が基本です。
地域のピザ屋に注文し、受け取って持ち帰り、家のオーブンで焼いて食べます。もちろん焼いてもらうことも可能なのですが、家で焼けば熱いうちに食べられる、ということで生のものを持ち帰る人が多いようです。
ピザの種類は店舗によりますが、一般的なマルゲリータやサラミピザなどはどこにでもあります。チーズだけを乗せたものも多いでしょうか。
カスタムオーダーもできます。その内容は幅広く、生地の厚みを薄いものや厚いもので選べたり、ソースや具を追加できるなど色々あります。マヨネーズとコーンはありません。
フード・ウェイスト
ピザを食べる上で問題とされるのが、端の具のない部分。
これを食べずに廃棄してしまうのが食品ロスになるだとか、日本のピザのようにチーズやウインナーを入れればいいとか、何かと物議を醸すこの部分ですが、Thin Crustという生地がこれを概ね解決しています。
名前の通り、生地が薄くなっており、パリパリに焼けることからクリスピータイプと呼ばれています。これなら食べるのが楽、捨てても量が出ない、ということで、これを好む人が多くなっています。
アメリカの食文化:食べ物-2につづく